運命


「運命は、どこかよそからやってくるものではなく、自分の心の中で成長するものである」  


 人は、予期せぬ嬉しい偶然が重なってしまうと、それを「運命」として定義化してしまう傾向がある。その偶然が、ドラマティックな展開に感じられるものであるなら尚更のこと。 

「きっとこれは運命であるに違いない」  

 目には見えない力の作用に傾倒し、己の歩みを脚色化する暗示に染め上げてしまうのは決して少なくはない傾向であると、自心を振り返りながら感じることができる。  

 さて、問題はそこからの第一歩の踏み出しだ。  

 そんな自分に酔うことが落ち着いたら、そこからもう一歩踏み込んで考えてみることも必要なことかと考える。「運命」は、現在進行形の中で定められるものではなく、人生のもっと先の地点で展望されるべきものではないだろうかと。 

 冒頭のヘルマン・ヘッセの言葉には、このことに対する気付きのヒントが潜まれている。そう、運命は天からのプレゼントではなく、己が掴んでいくもの。少なくとも自分の運命は、そうでありたい。  

 好きな言葉である、とても。 

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