GUERLAINのシャンゼリゼ
激務の残業中だった後輩のキミ。
仕事上における溜息事とともに、一点の写真を添付して送ってくれた。
写真には、誕生日にプレゼントとして贈った香水が写されていた。
「いま、少し落ち着きました。この香りを嗅いでがんばっています」
ギフトの香水をいつも目の前のデスク上に置き、用いてくれていたキミ。そのことを知った時の歓びの深さを、キミが知ることはない。
そして今、この香水がこの写真と同じ場所に置かれているのかを尋ねる意思も、私にはない。
香水の名は、「ゲラン」のシャンゼリゼ。
これ以上愛しい香りを、私は知らない。
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