実(まこと)の歓び

実の歓びは

一生のうち一日だけの到来でいい

あの日だけが 実の歓び

あの人だけが 一生分の歓び

あの日の記憶の賜りに

生の意義の総てが収められている

いくつ 時を経られても

いくつ 語を重ねても

いくつ 命を回帰させても

いくつ 宇宙を塗り替えても

あの日に辿り着くことはできない

何億という生命の循環の中で

あの人の存在

あの日の訪れだけが真実であり

奇跡であり 歓びである

あの日のあなたは

目に映る総ての境遇の意味を

満たしてくれる

実の歓びは

一生のうち一日だけの到来でいい

あの一日と決められる一生があれば

人生の意味を

告げてもらえることができる

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